2018.07.20
レポート
23年間の自分。【Co-STUDY KOBE 新聞】文・安永 政紀
小学校3年生から通信教育。週6日で習い事。中学は週4日で塾。高校は毎日12時間教室に残らされて勉強。大学は単位に追われて課題と小テストの勉強、そして
毎日の授業。新卒で就職出来ず、専門学校。
今まで聞いた言葉。
「余計な事しないでくれ。」
「空気読め、KY。皆の足を引っ張るな。」
「そんな話していない。」
「そんな事やってて意味あんの?」
「そんな事するより学校、塾の勉強しなさい。」
「もっと現実的な案出してよ。」
「お前には無理だ。」
「あんたは情けないから。」
「言われた通りやれ。」
「お前の言う事なんか聞きたくない。」
「それは今関係無い。」
専門学校に入ってから1年が過ぎ、2月から始まった春休み。2度目の就職活動が迫る頃、1度目の就職活動中から悩んでいた事がありました。
「自分の将来の夢って何だろう? 就職活動中ずっと、
「個性を出せ、やりたい事をやれ」って言われて来たけれど、自分の言った言葉や行動、殆ど否定された。思った事を言おうものなら、やりたい事やろうものなら
真っ向から否定されるに決まっている。自分の考えなんて誰も分かってくれない。」
授業中も、休日も、寝ている時も頭から離れず、悶々とした日々を送っていました。
春休み中の臨時の登校日、先生が教室の掲示板にプリントを3枚貼っていました。
(また学内で全員受験料を払い、全生徒が受けさせられる資格試験かな。これまで10個程学内で受けて、7個程受かった。これまでも、
中学校では「高校に入るまでにはこの資格を取っておくべき。」
高校では「良い大学に入るにはこの資格を取っておくべき。」
大学でも「良い企業に入るにはこの資格を取っておくべき。」
って散々言われて、たくさん受けた。
でも、資格ばかりで本当に人生上手く行くのかな。良い生活出来るのかな。
合格しないと……という事ばかり考えて試験勉強して、論語読みの論語知らずになっている気がする。この知識を役立たせるようにしないといけないんだけれど、どうやって役立たせればいいんだろう
……)
とと頭の中で考えながら、掲示板を見に行くと、1枚目、春休み明けのクラスの席順。2枚目、先月学内で全員受けた資格試験の結果。
(あーあ、またか。)
と思いながら隣のプリントに目を向けると、
「神戸活性化プロジェクト、Co-Study! 学生皆で活躍して、神戸の魅力を発信しよう! 学生メンバー募集!」
うーん、2歳の頃から神戸に住んで、ある程度の土地の知識は自分なりにはある気がするし、奥再度山ドライブウェイは北区の自分の家から三ノ宮駅まで歩いた事もある。やってみたいけれど皆の足を
引っ張らないだろうか? 変な事言って嫌われたらどうしよう。クラスの人達はプリントに見向きもしないし、やめておこうかな……でも今までそういう事ばかり考えて、部活動や学級委員といった活動
もやらなかったし、駄目もとでやってみようと思い、悩みつつも締め切りの3日前に説明会参加のメールを送りました。
当日、説明会会場に顔を出し席に着くと、すぐに隣の席の学生の方が、
「こんにちは。」
と声をかけて下さいました。しかし、まだ不安でした。
「挨拶は何とか出来た。でも次の話し合いで変な事言ったりしたら……」
神戸の街をどのような街にしたいか。の話し合い、自分の意見を言う番が回ってきました。
(何か言わないと…そうだ、専門学校で感じた事を言おう。)
「今現在の日本の義務教育では、コンピューターのプログラミングの授業が必修科目となっている様なのですが、私達が義務教育を受けていた頃はコンピューターを触って授業を受けた事殆ど無かったですよね。
私達の世代と、私達より後の世代で、大きな情報格差が出て来る気がするのですが…」
よし、何とか言えた。
「それ、い…」
やっぱり、「いや」なのかな。困った顔されるだろうな…確かに、神戸の街をどうしたいかを聞かれているのに、何で情報格差の話をしたんだろう…失敗だ…逃げたい…。」
「いいですよね、それ。」
「分かるわぁ。」
「僕、高校2年生から独学でプログラミングを勉強していて、今アルバイトで小中学生の子達に教えているんですけれど、その子達学校でも学んでいるおかげか教える側の僕より速くプログラムを
組めるんですよ。」
「私達プログラミングの授業なんて、小、中学校で全く受けた事無いもんね。最近、プログラミング言語っていうのがあるって知った。」
「三宮をITの街にしたいってパンフレットに書かれているけれど、難しそうだなぁ。」
…あれ? 自分の意見が通っている。自分の意見で体験談や共感の意見が出てきた。みんな自分と同じ事を思っていたのかな。
自分と同じ意見を持つ人達が、ここにはたくさんいる。この人達と一緒にいると何か面白い事に出会えるかもしれない。出来るかもしれない。
それを機にこのプロジェクトの定例会議に、出来る限り、忙しい日は来られないけれども、参加をしました。このCo-Studyのメンバーの中で、
自分が昔から言われてきたような言葉に違和感を覚えている人達もいました。
「空気を読んで、黙って、言われた通りに皆と同じ行動をしろ。そんな風な教育を受けるってしんどいよね。」
「その上に、暗記教育とかさせておいて、いざ就職活動では個性を出せって矛盾してる。」
凄いメンバーもいました。
「ラズベリーパイという電子機器を使って、入退室システムを作ってみたよ。」
「Co-Studyの、LINEのスタンプを作ってみました。」
「大学で、コンピューター関係の勉強をしているの?」 聞いてみました。
何と、Co-Studyに参加するまでプログラムを作った事さえ無かったらしく、それどころか、プログラムを組み立てる為のコンピューター言語、その代表的言語、C言語さえ知らなかったのだそうです。
当然、コンピューターに関する資格さえ持っていないそうです。資格も持っていないのに、自分の専門学校の人達よりも入り組んだ事をやっている、活力にあふれた人達ばかりでした。
メンバーの人達が日々教えてくれる、Co-Studyに関係の無い話も、貴重な知識となりました。
「あの人が日本の教育について同じような事を言っていたよ。」
「この曲はとてもいい曲だからぜひ聴いてみてよ。」
「このブログの作者、いい事言うわー。」
「あの店のケーキが美味しいよ。」
「シンガポールで食べた地元のお菓子が美味しかった。」
「自転車で淡路島を周った時、あの場所の景色が奇麗だった。」
「大谷選手が今話題になっているけれど、メジャーリーグの○○選手が凄いよ。」
「WWE好きなんです。」
「あのアニメはいいね。」
「ポケモンGOをするなら、あの場所がよくポケモン出るよ。」
「ポケモンバトルが近くで行われているから、後でちょっと抜けて一緒に行こうか。」
参加をする度に、自分の知っている事や得意な事、趣味で盛り上がる事ができ、自分の知らない事に日々出会い学びながら楽しめる場所で、自分の今まで学んだ事やこれから出会う技術、
教えてもらえるたくさんの事を吸収して、神戸の街の活性化に還元出来たらいいなと思います。
佐比内優太
現在神戸大学4年の佐比内優太です!
普段僕がどんな活動をしているのかなどを紹介している、「MY NAME IS …」というサイトを開設しました!!!是非チェックしてみてください^^