2020.03.25

レポート

大好きなばあばんの漬物

大好きなばあばんの漬物
僕は小さいころからばあばん(祖母の呼び方)のつくる漬物が好きだった。
毎週日曜日祖父母の家でご飯を食べるのが日課で、いつも祖母がつくる料理は天ぷら、串カツ、ステーキなど豪華な料理だった。僕のお腹が80%ぐらい満たされる時に祖母は冷蔵庫から忘れていたかのようにきゅうりの漬物を出してくる。残りの20%をご飯ときゅうりの漬物で満たしていく。
そんな僕に祖母は「食後のデザートもあるから腹八分目しときや」と笑いながら言う。そんなことは気にせず食べている僕の姿を見て家族のみんなが笑っていた。そんな温かい食事の雰囲気も好きだった。

小学校を卒業し、僕は部活の練習で土日も忙しくなり徐々に祖父母の家でご飯を食べる機会が少なくなった。
でも、僕の家まで祖父母は来てくれてつくってくれたご飯を持ってきてくれた。
なので大好きな漬物は食べていた。
この漬物をいつまでも食べれると…..
ある日久しぶりに祖父母の家でご飯を食べていると祖母から
「少し水くさいから、醤油でもつけて食べて」と言われた。
今までは祖母は「あんまり醤油をつけずに食べや、醤油の味になるから」と味には自信あったと思う。
だから祖母の言葉を聞いた時、「あ、味に自信がなくなってしまったのかなあ」と考えてしまいショックだった。
僕は「そんなことはないよ」と言いながら、ほぼ醤油をつけずに食べた。
味は少し違うけど、僕にとっては小さい頃から食べていた大好きなばあばんの漬物の味と同じような気がした。

いつかこのきゅうりの漬物を食べられなくなるだろう。
その時のばあばん達と一緒にご飯を食べた思い出は残るけど、形として残らない気がして怖くなった。
振り返ると家族旅行、学校の思い出は写真として残っている。
でも自分好きな食べ物の写真を残す機会はないような気がした。
これまで編集道場で文章、伝え方を考えてきました。でもなかなか「これで大丈夫かな」と思って自分主体の記事が出せずにいた。けどこの気持ちだけは残したいと思って書いてみた。

コ・スタディ神戸 広報チーム

Team PR, Co-STUDY KOBE

学生の「やってみたい」実験場 コ・スタディ神戸の広報チームです。
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